Realtime:kiss
やだ、私ったら、タイムリミットは今日1日だというのに…


慌ててベッドから起き上がる。


急いで下着を身に纏い、持ってきた服を着る。


部屋を出て、リビングを覗くと、窓際で少しカーテンを開け、片手に灰皿を持って煙草を吸う蒼佑がいた。


私はそんな蒼佑をジッと見つめていたが、蒼佑が私に気づき、柔らかい笑顔をくれた。


「おはよう、奈緒」

「おはよう、蒼佑…」


煙草を灰皿でもみ消し、ソファに座り、私にコーヒーを入れてと言う。


そんな些細なやり取りに、またほんの少し幸せを噛み締める。


コーヒーを入れ、ソファに座る蒼佑にカップを渡し、自身もそこに腰掛けた。


「ありがとう、奈緒」

私はにっこり笑って蒼佑を見た。


「…俺、考えたんだけど…」

少し言いにくそうに切り出した。

私は黙って次の言葉を待った。



「…考えたんだけど…一緒に、来るか?……」


カップを両手で包み込むように持ち、それを口に運びながらそう言った。


「はっ、何言ってんの?」

「なぁ、一緒に行かねぇ?」

蒼佑は、まるで旅行にでも誘うようにまた繰り返す。




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