Realtime:kiss
それだけ言うと電話は切れた。


はぁあ?何?今の・・・


私は受話器を耳に当てたまま、固まってしまった。


「咲宮さん、課長が・・咲宮さん?
どうしたの?」

隣の席の同僚に声かけられて、はっとした。

「え?私?」

「何ぃ?お昼戻ってきてからおかしいよ?

課長がレジュメ出来てるかって、ほんと、大丈夫?」

言われて気付く。

そう、私は確かにおかしいんだ。

電話の応答やら、上司への伝言やら、漏れなくコンスタントにこなしてきた私が、昼からだだ漏れ状態。


そんな初歩的なミスを繰り返していた。


あんな、訳分かんない電話してきた、セクハラ野郎のせいだ。


何が週末空けとけよ。ばっかじゃないのぉ?


仮に、私が週末空けたとしてよ?
アイツは私と、出かけたい訳?







< 21 / 266 >

この作品をシェア

pagetop