Realtime:kiss
「…お願いがある。俺の事、待ってろ……
出来るだけ週末戻れるように努力はする。
けど…如何せん、俺も一会社員に過ぎない、色んな状況で、帰れない時だって出てくる…
そんな時でも、俺を待ってて欲しい」


私はうんうんと、何度も首を縦に振った。


「…で、ここからが本題。
ここに、越してきてくれないか?」


は?


意味が分からない。


「そう、すけ?それは、どういう、意味?」


私を抱き締めている腕に力が入った。


「!!!っ……何度も言わねぇ、分かれよバァカ」

「分からないから聞いてるんじゃん、バァカ」


馬鹿をお返しした私と、少し距離を置く為か、抱き締めた腕が緩くなる。


「トロくせぇ女だなぁ、お前…

いいか、よく聞けよ!?二度と言わねぇかんな!ここで、この家で、俺を待ってて欲しい……」


そう言った蒼佑の耳がみるみる内に真っ赤に染まっていくのが見えた。




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