Realtime:kiss
「やだぁ、お母さん、外まで丸聞こえだったんだよ?恥ずかしい」

「あはっ、あははは…とっ、とにかく上がって?」


「お邪魔致します」


「お父さんは?」

母は、和室に私達を通すと、部屋を出ていこうとした。

「着替えてるんじゃない?
もお、トロ助だから、困ったもんだわねぇ、あっ、奈緒、お茶入れるから、ちょっと手伝って」


そして、そそくさと行ってしまった。

「すぐに戻るから、ごめんね!?」

蒼佑に声をかけて、私も和室を後にした。

キッチンに行くと、着替えてる筈の父が、ブスったれた顔で湯呑み片手に新聞を読んでいた。


「ちょっと、お父さん!
何パジャマ姿のままで、新聞読んでんのよっ」

「これ、奈緒、声が大きいっ」


母に窘められ、慌てて口を押さえ、今度は小さな声で父に詰め寄った。


「どういうつもり?何が気に入らないのよ」

「…ふんっ、それはこっちの台詞だ。
お前は一体何を考えてる!?」

「おとおさん声が大きいって……」

母がそう言うと、「うっ、うるさい!ここは俺の家だっ。大声だろうが何だろうが、知ったこっちゃない!」




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