Realtime:kiss
「馬鹿な親だと笑われても、やはり、娘は可愛い。どんなに疎ましがられても、娘は愛しい……
君がどんなつもりでいるのか、事と次第によっては…「私はっ…」

父の言葉を遮り、蒼佑は声を張り上げた。


「……私は…幼い頃、父と母と死別しております。その後は、母の姉である叔母に……
それから、父の親である祖父に育てられました。
叔母には優しさを…祖父には厳しさを教えられました。

しかし、やはり、心を許せる家族にはなりきれなかったのです……
叔母は私を不憫に思い、祖父は息子を誑し込んだ女性の子と、扱いました。
それも運命と諦めていた、その時、彼女に出逢いました」


ゆっくり私を振り返り、優しい笑顔でジッと見つめる。

手招きされ、私は蒼佑の隣に、蒼佑と同じ様に正座をして座った。



「…まだ彼女に、確認はしてはおりませんが…
私としては、この先互いが白髪頭になり、どちらかの命が尽きるまで……
生涯彼女と共に生きていきたいと、そう思っております……」




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