Realtime:kiss
「っ!!!!!

ばかぁああああっ、信じらんない、何言ってんのよ」


「はははっ冗談だって、すぐ真に受ける…」


げげげっ…



「…でも、今夜は……」

急に甘い声で私に顔を近づけ、おでこに軽くキスをした。


ニッコリ笑って風呂に入ってくると、部屋を出て行った。


ドキッとした。


でも、今夜は……


その後、何を言うつもりだったのか…


ねぇ、蒼佑、知ってる?

私は、蒼佑の一言一言に、いつもいつもドキドキさせられてるの……




「…ぉ…なお。奈緒?」


ん…名前を呼ばれ、少しずつ目を開ける…


「風呂…入ってこいよ」


そっか…蒼佑がお風呂に入ってる間に眠ってしまってたんだ。


「ん…入ってくる…」


ゆっくりと起き上がり、ぼぅっとした頭で洗面所に向かう。


湯船に浸かりながら、今夜から私はここで生活するんだと、実感していた。


蒼佑の匂いがする、この家で……



髪を洗い、体を念入りに洗っている途中で、はっとした。


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