Realtime:kiss
私、何でこんなに丁寧に体を洗っているの?

今夜…


蒼佑が言った言葉が頭をよぎる。


何かを無意識に期待しているのか…


私って、実はイヤラシい子だったのかも…

慌てて湯船に飛び込み、そのまま頭の先までお湯に浸かる。

ぶはっ…

やばいやばい



「奈緒?どうしたっ」
声と同時に風呂場のドアが全開した。


「っ!!!!いやぁだああぁあっ、閉めてよ!出てって」


お風呂で、ドタバタしていたからか、蒼佑が心配して、様子を見にきてくれたんだが、何もドアを開けなくても……


お風呂から上がった私は、すっかりへそを曲げ、蒼佑と一言も喋らなかった。



「だから、悪かったって……」

人差し指で右肩の辺りをツンツンつつかれたが、私の機嫌は直らない。


「いい加減にしろよ!?
何時までそうしてるつもりだよ、そんな態度取ってっと、朝の便で向こう行くかんな!?」


とうとう私の態度に業を煮やしたのか、今度は蒼佑がキレた。


アグラをかいて、ぷいと横を向いてしまった。






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