Realtime:kiss
「…おはよ…」

頭の上から声が聞こえる……

今更ながらドキンと心臓が脈打つ。

優しく髪を撫でる蒼佑に、私は顔を上げる事が出来ずにいると、追い討ちをかけるように彼はこんな事を言う。


「感じまくってた奈緒は、マジ可愛いかった…」


っ!!!!!!


「あっ、朝から、何てこと言うのよ!?蒼佑って、デリカシーに欠けるのよね!?
女心全然分かってない」


ひたすら蒼佑の体にしがみつきながら思いの丈をぶつけた。


「こらこら、お前だって、男心分かってないぜ?あんま、くっつくなって……
反応しちまうだろ?」



意味が分からず、そろそろと顔を上げて、蒼佑を見た。


すると蒼佑は、何だかバツの悪そうというか、情けなさげというか、そんな顔をしながら私を見ていた。


「フッ…」


おもむろに私の左手を取り、布団の中に入れる。


「!!!!!!!うぇ…」


私はビックリして、何とも言えない声を上げてしまう。




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