Realtime:kiss
越してきてまだ1日。道具の位置が今ひとつ分からない。


後で、蒼佑に聞いておかなきゃ……


ゆっくり、この家に馴れていこう…


そう思いながら……


コーヒーをドリップしていると、キッチンに愛しい彼が姿を現した。


「おはよ、奈緒…チュ…」

背後から抱き締められ、髪にキスをされた。

カァッと、身体が熱くなる。


「おっ、おはよ」

しどろもどろしながら、伏し目がちに返した。


「何作ってくれんの?」

「…何って……ただのブランチだよ…
こんな時間になっちゃったから、お昼兼用」


照れ隠しに、ちょっと強く言ってしまったが、蒼佑はあまり気にする事もなく、カリカリに焼いたベーコンをつまみ食いした。


「あっ、こら、ダメじゃん」

私は慌てて盛り付けてあったお皿を手に取り、これ以上は食べささないぞと頑張った。


「食いしん坊だよなぁ、奈緒は…顔洗ってくる…」



蒼佑は笑いながら、キッチンを出て行った。




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