Realtime:kiss
「そちらの商品は…」

電卓を私に見せる店員さん。

周りに気を使い、こんな方法で知らせてくれるなんて…

「じゃあこれ、頂けますか?」

「ありがとうございます、プレゼントで御座いますね?」

私は財布から一万札を渡しながら頷いた。




「ありがとうございました、またの御来場おまちしております」

ラッピングしてもらい、足早にデパートを後にする。

もうすぐ10月だというのに、屋外に出ると、流石に真夏とまでは言わないが、額にじんわり汗が滲む。



「ドルチェ、ドルチェっと…」

私は通りの向こう側在るはずの、ドルチェという店を探した。

ちょうど角地に、全面ガラス張りの小洒落た店が目に留まる。



「あれかなぁ…」

ちょうど青信号、私はその店目掛けて小走りで急いだ。


あっ……


ラインか携帯、鳴らせよ?


そんな事を蒼佑は言っていた。


一旦店の前で立ち止まるも、ここまで来たんだ、もういいや、そう思い、ドアの上にある、屋号を確かめて、重い扉を引いて、中を見渡した。




っ!!!!!




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