Realtime:kiss
RRR…
ビクッ…
握り締めていた携帯が鳴る。
相手は勿論、蒼佑……
どうしよう…
ここで出ないと、蒼佑に勘ぐられる…
私は大きく深呼吸をし、携帯に出た。
「もっ、もしもし?」
『こら!お前今一体どこに居んだよ』
大きな声で携帯の向こうで怒鳴る蒼佑。
私は携帯を耳から少し離した。
「大きな声、出さなくても聞こえてるよ…ごめん、帰って来ちゃった…」
『はぁあ!?帰ってって、お前、どこ…って、まさか、家にか!?』
後、数メートルで家に辿り着く。
「うん……なんか疲れちゃって……
蒼佑の言ってたお店も見つけられなかったし……」
『……疲れてんのに、電車で帰ったのかよ…
ホント、お前はやっぱ、バカ奈緒だな…
今から帰るから、家でじっとしてろよ?分かったか?』