Realtime:kiss
お好み焼きの焼き方であぁだこぅだと言い合った。

どちらともなく、見つめ合い、時を同じくして吹き出して笑った。


「くだらねぇ、こんな事で言い合いって、どうよ…マジ笑える」

「だよね…じゃあ、蒼佑に任せていい?関西風、食べてみたくなった…」


「おぅ、任せとけ、じゃさぁ、その千切りキャベツ、みじん切りにしてくんねぇ?」


「うん、分かった」


こんな風にキッチンで、蒼佑と肩を並べて料理を作る……


なんか、不思議な感じがした。


蒼佑は、慣れた手つきでネタに卵を3つ4つと割入れている。


「切れた?」


頷く私に蒼佑は優しい笑顔をくれる。


「ここにキャベツ、入れて混ぜて?」


私がせっせとキャベツをネタに入れていると、冷蔵庫から長芋を取り出し、ピーラーで雑に皮を剥き始めた。


「これ入れるとうまぁくなるんだぜ?」


下ろし金で長芋をスリながら得意気に私に言う。

「…そうなんだ、流石、一人暮らしが長いと色々知ってるねぇ」

ちょっとおちゃらけてそう言ってみた。



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