Realtime:kiss
「奈緒だって、俺と同じじゃねえか」

肘で私をこつきながら蒼佑はそう言った。


「痛い、痛いって…
ごめん、もう言わないから」


カレカノの関係になって約半年。


こんなにじゃれながらキッチンに立つ事はなかったかも知れない。


ホットプレートで焼き上げたお好み焼きをコテで切りながら食べる。


「…おいひぃ、これ、おいひぃよ」


熱くて上手く喋れない。


「だろぉ?おっと、忘れ物忘れ物っと…」


蒼佑は冷蔵庫からビンビールを取り出す。


私は棚からビアグラスを取り出す。


「気が利くねぇ」

そう言いながら栓を抜く。


「かんぱぁい」



蒼佑は、お好み焼きを頬張りながら、私に話しかけてくる。


「で?あんだけ悩んで、…いいのあったのか?」


ドキッ……


蒼佑の一言に、あの光景がフラッシュバックする。


「ん?奈緒?どした?」

グラスを持つ手が震える……


「…奈緒?」


怪訝そうな蒼佑の声に、私は精一杯の作り笑顔で答えた。




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