Realtime:kiss
その先にあるもの
「お前、何なんだよ、この荷物…雪山にでも籠もるのかよ……」


呆れる蒼佑を尻目に、私はせっせと荷物を車に運び入れていた。


「三日分だもぉん、これでも減らした方なんだから」


「…女って、マジ面倒くせぇ…」

「何か言った!?」

「……いや、手伝わせて頂きます……」




そんなこんなで、今日から三日間、私達はちょっと足を伸ばしての温泉旅行に出かけます。




で、どっちが先ずハンドルを握るかで、一悶着。


車に乗ってからは、カーナビの設定で一悶着…


元々、カーナビに頼るのが嫌いな蒼佑に対し、保険の為に、一応設定したい私…


数回しかこの車に乗った事のない私、勿論運転範囲もたかが知れていて、カーナビを使う程でもなかったから、設定方法すら、解らない。


蒼佑は蒼佑で、購入当初から一度も使った事がないらしく、スイッチを適当に押す。







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