Realtime:kiss
湯船に一人浸かりながら、今夜、私は一体どうなってしまうのか、心躍らせた、いや、違う、不安を募らせた……

お風呂から上がると、既に部屋食は運び入れられ、テーブルに所狭しと並べられていた。





「焦ったぜ……
浴衣着終わったとこに、失礼しますって、いきなり入ってくんだもん…」


そういいながら、座椅子に胡座をかいて座る蒼佑は、浴衣を着慣れていないせいか、胸元がはだけて凄くセクシーだった。


「ビールでいいか?」

こくんと頷いて、蒼佑の向かいに座る。


「奈緒は日本酒、ダメだもんな」


私にグラスを持つよう瓶ビールを前に出し、少し傾ける蒼佑。


私は慌ててグラスを持ち、前に突き出す。


その後自分でグラスに注ごうとする蒼佑から瓶を奪い取り、彼のグラスに注いだ。


「あっ、あの時は、先にビール飲んでたから」


「クククッ…そういう事にしとくか」




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