Realtime:kiss
「ようおこしやす、もう、碕岡はん、みえてますえ、ささ、こちらへ・・・」

京都弁の女性に迎えられ私達は奥へ通される。


その女性は、一つの部屋の前で立ち止まると、碕岡蒼佑に向き直し、「こちらぇ」と一言発し、その場に座り込んだ。


「碕岡はん、失礼します。お見えにならはりました」


『ん、通してくれ』


「へえ、」


多分この料亭の女将であろう、この女性は、一度碕岡蒼佑を見て、頷いたように思えた。


スッと襖が開き、中の様子が窺えた。


「蒼佑、こっちだ」


上座に座る割腹のいい初老の男性が言うと、碕岡蒼佑は、後ろに居た私を自分の横に移動させた。


「!!!何のつもりだ」


怖い、です・・・


初老の男性は私を睨んだまま碕岡蒼佑に威圧的に言った。


「フッ、何のつもりと言われましても・・・
私は、はなから大事にしたい女性が居ると申しておりました。

全く相手にして頂けなかったので、実力行使にございます」







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