Realtime:kiss
「ふっ、ふざけおって!
お前はワシに何処まで恥をかかせたら気がすむんだ!」

ひっ、ひぇええっ


怒鳴られても、全く意に介さぬようで、碕岡蒼佑は言葉を紡いだ。

「相川様、そういう事でございます。

この度の縁談、あなたの方からお断り下さい。
なんと罵って頂いても構いません」



碕岡蒼佑の視線の先には、気が付かなかった、私と差ほど違わぬ年齢の着物を着た女性が今にも泣きそうな顔をして、座っていた。



「ねぇ・・・」

私は隣に突っ立っている碕岡蒼佑の袖口を引っ張った。

「ん?何、奈緒」


ゲゲゲッ、甘い声で、甘い微笑付で私を見ている、碕岡蒼佑。


にっ、似合わないって!


「おじさま!話が違いませんこと!?
おじさまがどうしてもとおっしゃるから、あたくし・・・
こんな、こんな屈辱、あたくしっ」


いきなり立ち上がると、こちらに向かってくる、この女性・・・


すれ違い様、キッと睨み付けられた私、怖いです。


そして視線は碕岡蒼佑に移り、こんな事を言った。




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