Realtime:kiss
「距離を縮めるのに、ちょうどいいじゃん。
私も里中君の事、少し興味出てきた所だし」


しれっと、言ってのける。


何だかんだと陽子と言い合いをしていたら、背後から声をかけられた。


「年末の忙しない時に呼び出すなよな」

「先輩、そんな言い方!
すみません、ちょっと虫の居所が悪いみたいで…
鈴木さん、今日は声かけてもらえて嬉しかったっす、咲宮さんも何日か振りっす」


変わった挨拶をする里中君……


にしても、相変わらずの口の悪さは健在だね、碕岡蒼佑…


私の隣にドカッと腰を下ろし、目の前にある私の飲みかけのジョッキを掴み、何食わぬ顔で飲んだ。



「なんだよ、一口二口飲んだくれぇで、睨み付ける事ぁ、ねぇだろ?」

かっ、間接キスじゃん!

陽子や里中君がいる前で何すんのよ!


カァと顔が赤くなるのがわかった。

でも、負けじと碕岡蒼佑を睨み付けていると、奴は右の口角を少し上げた。

「あぁ、間接キスか……何お前、そんなんで照れてんの。
この前もっとすっげぇ事したのに?はっ、何か笑えるぅ」



カッチィン……







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