Realtime:kiss
後継者?
静かに話せる所なんて、早々おもいつかない。
自分の家に上げるわけにもいかないし、かと言って碕岡蒼佑の部屋に上がり込む訳にもいかない。
結局、五月さんの料亭の一室を借り、そこで話を聞くことで落ち着いた。
「話が終わったら声かけとくれやすな?」
襖を閉めるとき、五月さんにそう声をかけられた。
「はい、わかりました」と愛想笑いを浮かべてそう答えた。
「取りあえず、座れば?」
自分だって立ったままのくせに、私にそう言う、碕岡蒼佑。
でも、私は文句を言わず、奴の言葉に従った。
「他言無用。守れるか?」
私はゴクリと唾を飲み込み、大きく頷いた。
碕岡蒼佑は静かに話し出した。