Realtime:kiss
「だぁからぁ、何回も言ってるっしょ?
気に入っちゃったって!
何?俺の事疑っちゃってる訳?
あんな話まで聞かせたのに?」


コーヒーをずずっと飲みながら私を見ている。


うっ……それはそうなんだけど…

私は蒼佑から、ちゃんとした言葉を聞いてはいない。



男前不振症の私としては、やはりそんな言葉が聞きたい訳で……


「言葉で言って分からない奴には態度で示さないと、な?」


そんな事を言ったかと思えば、いきなり私におおい被さってきた。



きゃあぁあああ……


頭では拒絶しなければ、と思っていても、体がそれを無視する。


ソファーの上で私は蒼佑の思うがまま、なすがままであった。


左手を私の肩から背中にかけて回され、深く口付けられ、右手は私の服をどうにかしようとしている……


このまま、私は蒼佑に抱かれてしまうのだろう…


今は、それでも良いと何故かそう思った。




ブーブーブー



しかし、このKYな着信によって、私はどうにか事なきを得たんだけどね。





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