Realtime:kiss
「あっ、あなたねぇ!
どこまで人をバカにすれば気が済むの?
会わないわよ、なんで今更会わなきゃいけないのよ!」
声を荒げてつい、叫んでしまった。
『…あの時は、悪かったと思ってるよぉ、だってママが、まぁ君にはもっと相応しい女の子がたぁくさんいるって言ったからさぁ?
でも、なかなかいいのがいないんだぁ。
なぁちゃん!やっぱ、僕にはなぁちゃんが相応しいんだよ。
やっと、目が覚めたよ。ホントに側まで来てるんだ、あれ?……
なぁんだ、なぁちゃん、なんだかんだ言って、やっぱ僕に会いたいんだぁ、そんなにお洒落して、こんな寒空、外で待っててくれなくてもいいのに…』
私は耳を疑った……
ママが云々は、今はどうでもいい、何故私がお洒落して外にいること、知ってるの?
私は携帯を耳から離し、周りを見渡した。
……………ここから数十メートル先の門を曲がってきた、メタボなあの体、間違いない、奴だ。こちらに向かってブンブン手を振っている。
あぁあ、どうしよう、気持ちは凄く焦る。