Realtime:kiss
その背後から来る車…
あっ、あの車、黒いスポーツセダン……

間違いない、蒼佑っ



早く、早く……


私は勝より明らかに早くここに着くであろう黒のスポーツセダンを待ちわびる。


そして目の前でそれは当たり前のように止まる。


運転席から降りようとした蒼佑を制し、私は慌てて助手席に滑り込もうとした。


「待って!なぁちゃん!」


嘘、私は勝に左手首を掴まれ、動けないでいた。


「……誰?」

車内から私に問いかける蒼佑の低い声……


「………」


答えない私に痺れを切らしたのか、蒼佑が運転席から車外に降り立つ……


ジッと勝を睨み付け、フッと笑みをこぼし、奴に言った。




「ふ~ん、これが例のメタボ君かぁ、いやぁ、話には聞いていたけど、間近で見ると迫力あるな」


と………



「めっめっめっ、メタボくんんん!?」



見る見る顔が紅潮する勝……


なんでそんな事、この場面で口にするのよおぉおもう、いやぁああぁぁああ



< 62 / 266 >

この作品をシェア

pagetop