Realtime:kiss
何が言いたいのか分からない。

暫く走るとまた、信号で止まる。

「お前、ムカつく…あのメタボ野郎は呼び捨てで、なんで俺はさん付けなんだよ!」


そっ、そこ?
そこですか?不機嫌の理由はそこですか……


心の中でツッコミを入れていたら、後頭部に違和感を覚えた。


クイッと、蒼佑は私の頭を自分の方へ向かせると、「ムカつく、」そう言って、わたしに口付けた。


二、三度角度を変えながら、少し長めのキスを受け止めた。


車が先頭で止まらなくて良かったと、思う私って、エロいですか……


昼の日中から蒼佑に触れて、何だか恥ずかしい。


だって、いつも蒼佑にキスをされるのは月明かりの下……

何をどう話していいのか分からない。


「なぁ、腹減らねえか」


不意に話しかけられ、私は顔を上げた。


「なぁおちゃぁん、お顔が赤いのは、何でかなぁ?」

と、おちょくってくる。


「もぉ!だって、碕岡さんが…「だぁからぁ、そおすけっ!何度言えばわかんだよ」


「……そんな事、急に言われても……」





< 65 / 266 >

この作品をシェア

pagetop