Realtime:kiss
「蒼佑、大丈夫なのか?」

ちらっと山中さんに視線を送って、そして私を見て言った。
「奈緒?今何つった?ったく、学習能力ねぇなぁ、おま…っと、危ねぇ危ねぇ…って、おい!何泣いてんだよ…」

左手に包帯を巻き、首から吊り下げ、何とも痛々しい姿であった。


顔にも擦り傷が所々ある。


そんな姿を見て、私は不覚にも涙してしまった…


「良かった……」


私はこんな痛々しい姿ながらも、憎まれ口を叩きながら私の涙にオロオロする蒼佑に少し安心した。


こごじゃなんだからと、山中さんは、病院に併設されているカフェへ案内してくれた。


「コーヒーでいい?」

山中さんに聞かれ、私は無言で頷いた。


ちょっと待っててと、山中さんはカウンターにいる店員さんの所に行ってしまった。

セルフなんだ…


「奈緒?まさか、仕事抜け出して来たのか?」

蒼佑に指摘され、私は頷いた。

「ったく、どうせ、圭吾の野郎にたきつけられたんだろ?余計な真似しやがって……」

「そんな言い方、しちゃダメだよ」




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