Realtime:kiss
「何よ、やな感じ、二人共…」

「………」


「ん…
奈緒?驚かないで聞くのよ?」


奈津紀が何も言わないので、なのか、陽子が口を開いた。


「山中さんによると、碕岡さんの怪我、どうも誰かに突き飛ばされたようなのよ…」


えっ……どう言う事?

「見たんだって、圭吾…蒼佑君を突き飛ばしたらしき人物を……」


「うっそっ…」


病院で山中さんが言いかけたあの言葉……


その時、の後に続く言葉…


「圭吾の話からして、どうもその人物、あんたの前の彼氏、メタボ君みたいなのよ……」




私は脱いだコートを掴むと、二人に詫び、陽子の家を飛び出した。


「がんばれぇ!」


そんな言葉を背中に受けて……


階段を駆け降りるとおば様が、何事かとリビングから飛び出してきた。


「おば様、ゴメンナサイ、また、ゆっくりお邪魔します」


挨拶もそこそこに急いで駅に向かう。





< 78 / 266 >

この作品をシェア

pagetop