Realtime:kiss
「まぁ、いいや。明日から三連休だよな、どっか行かねぇ?」


行かねぇって……


「あの、お言葉ですが、2、3日安静にしていないといけないのでは?」


「はん、もう大丈夫だよ、元々大した怪我じゃねぇし、それに、せっかく圭吾と車チェンジしたし、ほら左手、捻挫だろ?
ミッションじゃ運転しにくいしさ?」


用意周到というか何というか……


「それに、大事な話もあるし…」



話がある



蒼佑はそう言っていた。




『駅まで送る』


蒼佑の家を出る時そう言われたが、怪我人だからと、私は頑なに拒み、それならタクシーで帰れと電話でタクシーを呼ばれ、帰路についた。








もう会うのはよそう……


眠る前、ベッドに横になりながら心に決めた。


課長に言われるまで、忘れていたんだ…


蒼佑には婚約者がいるって事。


課長に言われた時、意地を張り、啖呵まで切ったけれど、ホントはそうじゃない。








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