Realtime:kiss
「本気、なんだ?」


「……本気だよ?っていうより、あたし達、二人が思ってるような仲じゃないし……だから、…」



ダメだ、なんか、泣きそ…





「ねぇ、今からちょっと、遠出しない?この前さぁ、秘書課の先輩がさぁ、いい温泉見つけたらしくてさぁ、部屋取れるかどうかわかんないけど、行く?」


陽子が、そんな私を察したんだろう、部屋がとれるかどうかも分からない温泉宿の話なんかし出した。


自宅に居たくない私にとっても、ホントにありがたかった。




「もしもし?先輩?鈴木です、あの、この前…」


陽子は、先輩秘書に連絡を入れている。


「奈緒?大丈夫?」


奈津紀は、なんだか申し訳なさげにしていた。


「ホントに後悔しないね?」


「だからしつこいよ?」

ギロっと奈津紀をにらみけた。


「だって……蒼佑君といる時の奈緒って、何て言うか、自然な?感じだったし、蒼佑君も、飾ってなくていい感じだったから……」






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