Realtime:kiss


ふぅ……


私は土岐乃の前で大きくため息をついた。



どんな話をされるのか分からない。



遅かれ早かれ、結論は出さなければならない。



自分の気持ちにけじめだけはつけなければいけない、でないとまた、私は数年前の痛手をこの年にして負うことになる。



ガラガラガラ…意を決して私は土岐乃の引き戸を開けた。



「おこしやす、久しぶりやねぇ、奈緒ちゃん」



五月さんが優しい笑顔で迎えてくれた。



「お久しぶりです。あの、蒼佑さんと……」


「はい、もうお部屋に居てはるよ?
はよ、こっちぇ?」



五月さんは先に立ち、案内してくれた。


「蒼ちゃん?お見えぇ?」そう言って襖を開けた。



!!!!!!っ



驚いた……




そこには蒼佑と同じ顔をした男性と、その男性に寄り添う女性……


女性の方は、あの、相川馨子…



何?


何がどうなってるの?





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