Realtime:kiss
「ちょっと、アンタ、そっちこそ、早く離しなさいよ、貴の手!!」


何なの?


「クククっ、お前、何か変な虫みたいだな、クククっ」


いつものように反論出来ない。


多分この状況が私の思考を狂わせてる。


「結論から言うぞ?

俺は爺さんの跡は継がない。
それからこの高飛車な女とも結婚しない。
と言う事だ。わかったか?」


「ちょっ、誰が高飛車な女なのよ、言葉使いに気を付けなさいよ!?」


ダメだ、蒼佑の言っている意味が分からない。


何故継がなくていいの?何故結婚しなくていいの?


「可愛いねぇ、奈緒ちゃん。訳分かんなくてオドオドしてる。
蒼ちゃん、ちゃんと説明してあげなよ」


貴さんが笑いながら言った。


「はん、馴れ馴れしく名前で呼ぶなよ兄貴。
奈緒?よく聞けよ?
兄貴は相川馨子と一緒になって爺様の跡を継ぐんだ。

だから俺は晴れて自由の身、これから好き勝手に生きるさ」





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