Realtime:kiss
「はぁ…
俺は空回りしてたんだな?

お前も俺と同じ気持ちだって……
分かったよ、悪かったな、付き纏って……」


「ち、違う、違う!」

ガバッと顔を上げ、蒼佑を見る。


ニヤッ…右の口角を上げ、不敵な笑みを浮かべていた。


はっ……

そうだった……

この男はこういう男だったんだ……

やられた。


「違うって?何が違うんだよ…
答えろよ、奈緒」


もおぉぉおおぉお!
こうなったら開き直って、全部吐き出してやる!


「…だから、蒼佑君が怪我したあの日、会社に戻ったら、お爺様から電話があったらしいの。
孫に手を出す女が働いてる会社はここかって!」

「……で?」

は?

でって……


「だっ、だから、婚約者が居るのに、変な噂が流れたら、お互い……」


「ふぅ~ん…で、俺と距離置いたんだ」


私は頷いた。



しばらく沈黙が続く。


居心地が悪い。


「奈緒はさぁ、俺の事、どう思ってる?」

不意に聞かれた、とんでもない事…



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