Realtime:kiss
ギョッと目を見開き、蒼佑を凝視した。
「まぁいいや、今度またジックリいじってやるから、覚えとけよ?」
また、右の口角を少し上げ、意味深な事を言う。
サイドを下げ、パーキングからドライブにギアを入れ、ライトをつけながら静かに車を発進させる。
その動作をじっと見ていた。
好きなんだ、私、コイツの事が……
「そういやさぁ、本社に俺らがいる支社が吸収されるって話し、聞いたか?」
「えっ?そうなの?ごめん、知らないや」
「なぁんだよ、使えねぇ奴だなぁ。何でもよ?
この不景気じゃん?
支社の維持費だけでも結構かかんだってさ。
場所だって、おんなじ市内だしさ、経費削減らしいぜ?」
「そうなんだ…でも、何でこの時期?」
降って湧いたような話に半信半疑な私は不思議に思うことを口にした。
「統合の話は俺が配属された時からあったんだ。聞いたことない?本社の移転話…」
そう言えば、陽子がそんな事いってたかも…
「まっ、そうなりゃあ、四六時中付き纏ってやるからよ、覚悟しとけよ」
ええぇぇええ!