君が想い出になる前に
翌日のことだった。
いつも通り学校に着いて
教室の席に着くと、いつもわたしより
後に来るはずの惣右介が
ふくれっ面をしてこちらを見ていた。
「惣右介、早いね!
おはよー」
「おはよーじゃねーよ!
なんで昨日電話くれなかったの?
絶対電話くれると思って
俺待ってたんだけど。」
「え!?
あ、ごめんーー
まさか待ってるとは思わなかった!」
「ひっでー
じゃあ今日かけてくれる?」
その時、わたしの視界に
なっちゃんの姿が飛び込んできた。
なっちゃんと目が合ったーー
(やばい。
誤解されるーー)
「わたし、用も無いのに電話しないから!
なんかあったら掛けるね。」
焦りながら答えて
鞄の中の荷物をバタバタと机に直しこんだ。
「あっそう。」
すごく冷たい声が返って来た。
惣右介の顔は見れなかった。