君が想い出になる前に
ガラガラーー!!
教室に着くと、先生が思いっきりドアを開けた。
「うーっす。もうチャイム鳴ってるぞー
席つけよーー」
先生の大きな声で一気に注目を浴びたわたしは
大きな先生の背中に隠れるように
教壇までついて歩いた。
「はい、転校生を紹介します。
ーー葉月、自己紹介できるか?」
わたしはこくん、とうなずき
すぅーーっと深呼吸した。
「ーー町から越して来ました。
葉月 麻央です。よろしくお願いします。」
(よし、完璧。)
ガラガラガラーー!!
(ー!?)
みんなの顔を見渡す間も無く
今度は後ろのドアが力強く開いた。