君が想い出になる前に
「龍〜〜!
新学期早々遅刻か!」
大きな声で森先生が怒鳴った。
「うるせー、来たんだからいいだろ。」
低い声で言い返しながら入ってきた
背が高くてガタイの良い
ヤンキーっぽい男の子。黒髪の長髪で
眼つきが鋭い。
(こ、こわ…
あんなヤンキー関わりたくない。)
こう思ったのはわたしだけじゃないみたいで
さっきまで私語が多かったクラスが
彼の登場により一気に静かになった。
ただ1人を除いては。
「龍ー!朝から来んの珍しいじゃん!」
窓際の、一番後ろから
聞き覚えのある声。
(あ。
さっき玄関で挨拶してくれた子だ。)