抱きしめたい
「俺迷子になってさ、ちょうどそこの男の子にここまで連れて来てもらったんだよね。」


真吾の指さす方向は輝の家だった。


わたしはすぐに窓際へ行き、外を確認すると丁度家に入ろうとする輝の姿が目に付いた。


「あきらぁ、ありがとう。
つぅかもう帰ってきちゃったの?」


恥じらいも無く大きな声で輝を呼びとめた。


「うるせぇ。彼氏とイチャイチャしてろ!」


輝も大きな声でわたしに返す。
そしてそのまま樹里と家に入ってしまった。





わたしは知らなかった。
真吾がとても冷たい目でわたしを見ていた事を・・・



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