抱きしめたい
「朝はまだ寒いね。」


帰りもやっぱり腕を擦る。


「んっ!貸しちゃる。」


輝は着ていたパーカーを脱ぎわたしに差し出した。


「いいの?」


「ミルクティーのお返し。
袋持っててやるからサッサと着ろ。」


「うん…あんがと。」


袖に腕を通した時、ふんわり男の匂いがした。


―輝の匂い


そう思ったら、少しだけ恥ずかしかった。




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