涙恋~片思い恋愛〜
涼太を見上げると、自分の顔に、パンチを食らわせていた。


「ちょっ!?何してるのよ?」

「俺、このままで姫歌に近づいていいはずがねぇ。

 
 こんな、まだ美奈のことを思っているままーー...
 姫歌をけがしていいはずがねぇんだよっ!!」


そう言った涼太は、カッコよかった。

普段より、ひとまわりも、ふたまわりも、大きく見えた。

勇ましいかった。



叶わぬ恋だった。

実らぬ想いだった。


だけど、こんなにも素敵な恋の終わり方はない。


私の思いが、彼を強くする。

それなら、別に叶わぬ思いだっていい。


だってーー...

私の思いは、ずっと涼太の中で生き続けるのだから。
< 187 / 291 >

この作品をシェア

pagetop