涙恋~片思い恋愛〜
「拓真くん、もう準備できた?」

放課後、私は拓真くんの教室へきていた。

私の気持ちは絶好調に達している。


5限目からは、先生の話が全く入ってこなかった。

好きな人と、両想いになれて、一緒に遊ぶ。

そんな時間は、世界で一番幸せな時間。


「おう。じゃあ、行くか。」



そんな拓真くんの声とともに、足が動き出す。


嬉しさのあまり、拓真くんの手を握ってしまった。

学校内だというのに。

周りからは冷やかしを受けるけど、何も悪いことなんかしてないんだから、気にしなければいい。

昼休みの時より、大人になれた気がした。




「どこ行くか、決めた?」


校門を出ると、拓真くんが言った。


拓真くんがしゃべり始めると同時に、私の胸が動き出す。

そして、顔もリンゴのように赤くなっているのだろうー...


「うん。新しくできたショッピングモールへ行かない?」


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