涙恋~片思い恋愛〜
玄関が開いて、おばさんが出てくる。


「美奈ちゃん?

どうしたの、そんなにあわてて。」



おばさんは、のほほんと穏やかに言う。



「あっ、拓真帰ってますか!?」


おばさんが、言葉を返す時、一瞬だけど、心臓が止まりそうになった。

もし、拓真が帰ってなかったらどうしよう。


「えぇ、もちろん。

拓真が、どうかしたの?」


よ、よかったー...

安心すると、腰が抜けておばさんの前で地面に座ってしまった。



「なんでもないです。」


笑顔で、そう言えた。

拓真のことで、さっきあんなにオロオロしてたのに。

もう、平気みたい。

< 98 / 291 >

この作品をシェア

pagetop