【完】あたしのとなりの不良くん
あたしはそのタオルをまた肩にかけた。
「行くよ」
海里を一瞥して、校舎に足を進めた。
* * * * *
ガラッ
中には一人もいなかった。
教室の中は見事にオレンジ色に染まっていた。
夕日が作り出すアートだ。
その教室に足を踏み入れ、自分の席を目指す。
ガタンッ
何事?!
いきなり隣から大きな音が聞こえ、瞬時に振り向いた。
その音の正体は、海里が机を漁る音だった。
あ、荒い…。
机が可哀想だ…。
ガタガタと揺れて、今にも倒れてしまいそうだ。