【完】あたしのとなりの不良くん


不思議に思って、うつむいている美香の顔を覗き込んだ。



「……う…ッ」



…そこには唇を噛み締め、涙を堪えてる美香の姿があった。

瞳はうるうるしていて、溜まっている涙を落とさないよう、必死で瞬きを我慢していた。



「……美香…」



あたしが呼ぶのと同時に、美香の涙が頬を伝った。



「…うぅ…っ…」



顔を両手で隠した美香。


ぽんぽんと美香の頭を数回撫でた。



「…大丈夫…だよ…」



……あたしは大丈夫…。


< 191 / 376 >

この作品をシェア

pagetop