【完】あたしのとなりの不良くん
「……脅されたのっ…」
「誰に…?」
「…あいつらに……」
そう言って、また美香は泣き出した。
あいつらって…?
もしかして、
「…みなみたち?」
あたしが聞くと、コクンと頷いた。
「…千尋がいじめられ始めた次の朝に…言われたの」
“あいつと一緒にいたら、もっと酷いことするよ。…あんたにも、ね”
「……あたしをかばった…?」
「……うん」
「でも…あたしは…っ」
ぎゅっと唇を噛み締めた。
鼻の奥がつーんとして、視界が滲んできた。
あたしはうつむいた。
ぼやけたコンクリートが視界に飛び込んでくる。
「どんないじめでも、耐えられる自信があったっ」
だって、それは…
「…美香がいたから」