【完】あたしのとなりの不良くん


「……脅されたのっ…」


「誰に…?」



「…あいつらに……」



そう言って、また美香は泣き出した。



あいつらって…?

もしかして、


「…みなみたち?」


あたしが聞くと、コクンと頷いた。



「…千尋がいじめられ始めた次の朝に…言われたの」



“あいつと一緒にいたら、もっと酷いことするよ。…あんたにも、ね”



「……あたしをかばった…?」


「……うん」



「でも…あたしは…っ」



ぎゅっと唇を噛み締めた。

鼻の奥がつーんとして、視界が滲んできた。


あたしはうつむいた。

ぼやけたコンクリートが視界に飛び込んでくる。



「どんないじめでも、耐えられる自信があったっ」



だって、それは…



「…美香がいたから」



< 227 / 376 >

この作品をシェア

pagetop