【完】あたしのとなりの不良くん
「おい」
その低い声で、あの二人に呼び掛けた。
呼びかけられた二人は、ビクッと肩を揺らす。
「俺の千尋傷付けたら…どうなるか分かってるんだろうな?」
今にも二人の生唾を呑む音が、聞こえてきそうだ。
海里はあの二人に近づいて行く。
こっわ。
あの笑みは、さすがのあたしでも恐い。
「……ヒッ」
みなみは小さな悲鳴をあげた。
海里はみなみたちを、見下ろしながら、その地を這うような低い声で言い放った。
「女でもぶっ殺す」
あたしの背中に一筋の汗が伝った。