【完】あたしのとなりの不良くん


「友達だもんな!」


顔は見えないけど、そう言った海里は微笑んでいたと思う。


あたしはこくりと頷いた。



…………
……



あたしたちは公園のベンチに腰掛けていた。


あたしは過去の出来事を、全て海里に話した。



「そうか…」



頭をよしよし、と数回撫でられた。


…何かすっごい子供扱いされてる。

でも、いつもはふざけてばかりいる海里だけど、話を真面目に聞いてくれた。



「千尋がたまに休み時間、勉強してるのは…」

「うん。多分昔の癖」


みなみたちから気を紛らわすための…癖。

あたしの頭は徐々に下がっていって、目線が自分の膝になったとき、



「俺が千尋のこと守るからな!」



あたしはその言葉に顔を上げた。



「俺が守るから…千尋のこと守るから…」



そこで海里はやっぱり微笑んだ。


「友達は友達を大切にするんだ!」


その後に「って昔、先生が言ってた」と付け足した。



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