【完】あたしのとなりの不良くん
「ありがと」
海里なら…あたしを裏切らないと思った。
このバカなら…。
…あたしは信じることが出来る。
「そんな褒めるなよっ」
「照れんだろっ」と海里は髪の毛をガシガシとかいていた。
「いや、褒めてないから」
何こいつは勘違いしてんだか。
「ほら、帰るよ」
あたしはベンチから立って、座っている海里に手を差し伸べて、「送ってくれるんでしょ」と言った。
「おう!」
…ぎゅっとあたしの手を握った奴の手の平は、温かかった。