【完】あたしのとなりの不良くん
「きゃーっ」
…お母さんだ。
もう夜だというのに、悲鳴をあげて。
うるさい…。
あたしは顔を歪めた。
「千尋、この人誰だよ?」
「…お母さん」
すると海里は、「千尋の母ちゃんかぁ〜」と言って、なぜか目をキラキラさせ始めた。
海里はあたしのお母さんに近づいて行く。
あたしはそれを、頭に“?”を浮かべて見る。
「ちわ!千尋と友達の海里だ!です!」
何故か自己紹介を始めた。
海里の貴重な敬語にあたしは顔を歪める。
つか、“「ちわ!」”って…。
今は、こんばんはでしょ。
こいつ何でも“です”付ければ敬語になると、思ってない?
あたしはそんな海里に呆れる。