【完】あたしのとなりの不良くん
海里のOKサインをみたお母さんは、「あがって!あがって!」と海里を急かしていた。
「お邪魔しまーす」
と、ニコニコ顔で言っていた海里を、あたしは一瞥する。
靴を脱ぎ、家に上がる。
あたしの後ろをちょこちょこついてくる海里は、まるでペンギンだ。
お母さんがリビングのドアを開けた。
「今日はお客さんよー」
という声と共に。
「えっ、お客さん?!」
お父さんの焦った声が、聞こえ、
「誰?」
兄貴の冷静な声が聞こえる。
騒がしい家族だ…。