【完】あたしのとなりの不良くん


あたしの後ろに隠れていた海里が、ひょこりと出てきた。



「彼氏かっ!」



お父さんと兄貴の声が重なった。


「うふふ」


お母さんは口に手をあてて、クスクスと笑っている。



何が「うふふ」だし。

絶対誤解してんじゃん。



「はぁ…」



あたしは溜息をついた。



「彼氏じゃないから」


「じゃあ、友達か?」



お父さんが聞いてきたから、あたしはこくりと頷いた。



「ほらほら、ご飯出来たわよー」



リビングにお母さんの声が響いた。


食卓には、肉じゃががあった。


あたしの大好物だ。



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