【完】あたしのとなりの不良くん
「意味分かんね」
「いいよ、分からなくて」
何を言っても、絶対理解するのは無理だと思うから。
あたしは水で泡を落とした。
「ちょっと着替えてくるから」
だから大人しくそこで遊んでて、と言おうと思ったのに…。
「俺もいく!」
目をキラキラとさせて「千尋の部屋見てみてぇ」とか言って、もう行く気満々だ。
海里は急いで、泡を流している。
「リビングで待ってて!」
ついて来られたら面倒だ。
あたしは走って自分の部屋に戻った。
後ろで「ちょっ!待てよ!」という声が聞こえたが、無視した。