【完】あたしのとなりの不良くん



あの…バカ。


なに言ってんの。



「はぁ…」



あたしは呆れて、溜息をこぼした。

ベシリと兄貴の手を払い、軽く睨む。


「怒るなよー。お兄ちゃん泣いちゃう」


キモ…。


シクシクト泣き真似をしている兄貴に、冷たい目を向けながら。

あたしは、お母さんに聞いた。



「他は?」


「んーとね。アイスをくれた、とか言ってたわよ」



あ、あぁ…。


あのときのか…。


あたしは海里にアイスを奢った形になってんのか。


…本当は奢られる側だったのに。




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